====== 逸般の誤家庭で40GbEはじめますた その1(構想編) ====== * [[2019-01-16]] ←いまここ * [[2019-01-22]] * [[2019-01-29]] 自宅ネットワークを40GBASE-SR4で40GbE化しますた。その顛末を全3回くらいでお届け。 かねてより宅内ネットワークの10GbE化を目論んでいたものの、次の理由で二の足を踏んでいた。 - メインマシンがMacBook Proのため10GbE対応NICの選択肢が極めて限られる - 10GbE対応スイッチが高い - 消費電力が高い - 割安なAquantiaの10GbE NICのFreeBSD用ドライバがない (2021-07-20 追記) Aquantia NICのFreeBSD用ドライバは2019年6月にリリースされ、現在はports/packagesで提供されている。 一般のご家庭向け40GbE対応スイッチも徐々に増えてきた。 * MikroTik * [[https://mikrotik.com/product/crs326_24s_2q_rm|CRS326-24S+2Q+RM]] ([[blog:2019/2019-09-04]]) * [[https://mikrotik.com/product/crs354_48g_4splus2qplusrm|CRS354-48G-4S+2Q+RM]] * [[https://mikrotik.com/product/crs354_48p_4s_2q_rm|CRS354-48P-4S+2Q+RM]] * FS * [[https://www.fs.com/jp/products/108710.html|S5860-20SQ]] MacBook Proで10GbEを使うにはThunderboltに頼らざるを得ない。となると対応製品は[[https://www.akitio.com/adapters/thunder2-10g-network-adapter|AKiTiO Thunder2 10G Network Adapter]]か[[https://www.sonnettech.com/jp/product/twin10g.html|Sonnet Twin 10G Ethernet Thunderbolt 2 Adapter]]くらいしかなく、値段が高い上に潰しもきかない。Thunderbolt→PCI Expressエンクロージャと汎用NICを使う手もあるが、同じく高価だしイマイチ筋が悪い。 10GbE対応スイッチも安くなってきたとはいえ、10GBASE-T×2ポートの単機能スイッチングハブで2万円後半~は個人的にはまだ高い。せめて5ポートで1.5万円くらいじゃないと話にならん。それに加えて、逸般の誤家庭 一般のご家庭での使用を考えた場合、消費電力の高さに、発熱の多さからのファン騒音も悩ましい。 そんなこんなで4~5年ほど悶々としていた。 ひと月ほど前、某掲示板で10GBASE-SRが割とお手軽に導入できることを知る。光ファイバー方式は機器的にもお値段的にも敷居が高そうな印象があったが、調べてみると思いのほか安い。NICはサーバ抜き取り品やリファービッシュ品が5000円程度で流通してるし、光ケーブルも1mで1000円、20mで2000円程と家電量販店で売ってるUTPケーブルと大差ない値段で買えることが分かった。現状、10GBASE-SRは10GBASE-Tより低消費電力というのも好都合だ。 スイッチがお高い問題は残ったままだけど、メインマシン-サーバ兼NAS間が速くなれば当面は事足りる。DAC (Direct Attach Cable)やAOC (Active Optical Cable)を使うとSFP+分のお金が浮いて嬉しかったりするものの、今回は15mほど引き回す必要があり、またそれらは汎用性に欠けるので不採用。メインマシンとサーバを10GBASE-SRで直結し、サーバで10GbEと既存の1000BASE-TでL2ブリッジを作れば、単体のスイッチを用意せずとも既存ネットワーク構成を活かしつつ高速化の恩恵を受けられそうな予感。 MacBook Pro用の10GbE NICはどうしたかって?。そもそもMacとはもうオサラバして、Windowsな自作デスクトップにメイン環境を移行済みなのである。というか、そうしたからこそ、宅内ネットワーク高速化に着手できたというのが実際のところ。Macを捨てたポエムは別途書く。多分。 大まかな構想が固まったところで、次は機材選定だ。必要なのは以下の3点である。 * SFP+搭載の10GbE NIC * 10GBASE-SR用SFP+トランシーバ * LC-LCマルチモードファイバー 注意すべきはSFP+モジュールのベンダーロックイン。ロックが掛かってるとNICとトランシーバは純正品の組み合わせでしか動かず残念な事になる。もっとも、ロックイン対応の互換トランシーバーも売ってるんですけども。今回は関係ないがスイッチ側で掛かってる事もあるので要注意。 ロックインやドライバ状況を鑑みて、NICはMellanox ConnectX-3以降、SFP+トランシーバは10Gtekの互換品を使うことにした。ConnectXシリーズは中古品の流通量が多く、機能も豊富で、FreeBSD対応ドライバがあり、ベンダーロックインもなく紛うことなき神NICなのだ。10Gtekはあまり聞き慣れない会社だが、格安ネットワーク機器中華ベンダーとしてそれなりに実績があるようだ。実は別件で同社の10GBASE-T NICとDACを使った事があるが、特に問題なく使えたってのも採用理由の1つ。ケーブルも10Gtekに決定。 なお、ConnectX-3の前期種のConnectX-2は中古相場がかなり安いが、サポートが終了しておりWindows 10用ドライバが提供されていないため非推奨。一応、インボックスドライバやWindows 8.1用ドライバで使えるらしいので、とにかく価格重視ということなら選択肢として無くはないってところ。 そんな感じでConnectX-3の調査をしていると、40GbE対応の製品があるではありませんか。値段は10G対応品よりは高いけど十分に手が届く範囲だった。トランシーバーとケーブルも同様な感じ。となれば欲が出てくるのが人の常。スイッチの入手性は10GbE以上に絶望的だが、マシン間直結なら最早10GbEに拘ることもなくね…?ってなもんで、40GbEへと舵を切ったのである…。 基本方針はそのままにEthernet規格が40GBASE-SR4となり、必要な機材は次のようになった。 * 40GbE対応のConnectX-3 * 40GBASE-SR4用QSFPトランシーバ * MPO-12マルチモードファイバ(OM3以上) それぞれ10GbEで選定した機材の40GbE対応版を買えばよい。続きは購入編にて。