====== 飛ばしたFreeBSDをbsdinstallで復旧 ====== 最初に謝っておこう。復旧と言ってるけど、実態としては殆ど新規インストールなんだ、すまない。 [[blog:2021:2021-04-19|誤って家鯖のFreeBSDを飛ばした]]わけだけども、13.0-RELEASEの完全クリーンインストールはやめ、既存環境を上書きする形で12.2-RELEASEを起動できる状態にいったん戻すことにした。FreeBSD標準の自動インストールでは、ストレージの現在のパーティションを生かす方法がなく、結局手動でアレコレする羽目になる。だったら、手っ取り早く上書きインストールした方が簡単かなと。 上書きインストール、というかFreeBSDのインストール自体は''/usr/freebsd-dist''にあるアーカイブをファイルシステムに展開するだけ(と少々の起動設定)なんだけど、せっかくなので''bsdinstall''を使ってみた。 必要な環境変数を設定し、''bsdinstall distextract''を実行するとアーカイブを展開してくれる。 まずはFreeBSDのインストーラでマシンを起動し、Shellに落ちて、破損したシステムをマウントする。うちはRoot on ZFS環境なので↓のような感じ。 # mkdir /tmp/zroot # zpool import -f -R /tmp/zroot zroot 続いて環境変数の設定。 # export BSDINSTALL_DISTDIR=/usr/freebsd-dist # export DISTRIBUTIONS="base.txz kernel.txz lib32.txz" # export BSDINSTALL_CHROOT=/tmp/zroot/ ^ 環境変数名 ^ 意味 ^ |''BSDINSTALL_DISTDIR''| インストールアーカイブのパス。デフォルト値は/usr/freebsd-distで、インストーラから起動した場合は特に指定する必要はない。 | |''DISTRIBUTIONS''| インストールするアーカイブの指定。BSDINSTALL_DISTDIRにあるファイル名を列挙する。base.txz, kernel.txzの2つがあればOSとして動く。 | |''BSDINSTALL_CHROOT''| アーカイブの展開先のパス。冒頭で/tmp/zrootにZFSの'/'をマウントしているので、その値を指定。デフォルト値は/mnt。| でもって''bsdinstall''を実行。 # bsdinstall distextract すると見慣れたFreeBSD Installer画面になって展開が進む。終わるとシェルに戻ってくる。 {{ :blog:2021:bsdinstall_distextract.png |}} ZFS起動に必要な設定を書き込む。 # echo 'zfs_load="YES"' >> /tmp/boot/loader.conf # echo 'zfs_enable="YES"' >> /tmp/etc/rc.conf 念のためプールをエクスポート&再起動 # zpool export zroot # reboot これで、新規12.2-RELEASEが立ち上がった。以前のデータの残り具合次第では、ある程度、設定済みの環境も戻ってくるだろう。自分の場合、''/usr''と''/etc''が完全に消えたので、殆どクリーンインストールと一緒だけどな!気持ち的には、秘伝の家鯖の血脈は保たれた。まっさらな環境だけどな! ベニクラゲのように若返ったとでも思っておこう。 ---- **(2021/04/26 追記)** 環境構築を進めてみると''/usr/local/etc''がほぼほぼ残っていることが判明。これは名実ともに血脈が保たれたと言ってもいいのでは…!?しかしあれだ、ちゃんとバックアップは取っておきましょうね。 ===== 参考サイト ===== * [[https://www.freebsd.org/cgi/man.cgi?bsdinstall(8)|bsdinstall(8)]] * [[https://github.com/lattera/freebsd/blob/master/usr.sbin/bsdinstall/scripts/zfsboot|freebsd/zfsboot at master · lattera/freebsd · GitHub]]