====== FreeBSD 11でiSCSI Targetを作る ====== ===== まえがき ===== FreeBSD 10.0で登場した[[https://www.freebsd.org/cgi/man.cgi?query=ctld&apropos=0&sektion=8&manpath=FreeBSD+11.0-RELEASE&arch=default&format=html|ctld(8)]]により、FreeBSDもネイティブでiSCSIをサポートするようになった。本記事では、そのctldを用いたiSCSIターゲットの構築方法を説明する。FreeBSD 9以前では事情が大きく異なるので注意されたい。 ==== ターゲットとイニシエータ ==== 超乱暴に言えばiSCSIはケーブルがLANケーブルに変わっただけのSCSIなので、用語や概念はSCSIのそれを踏襲している。馴染みが薄く自分でも混乱するので簡単にまとめておく。 |Target| SCSIコマンドを受け取る側。要はSCSI機器(HDDとか光学ドライブとか)| |Initiator| SCSIコマンドを発行する側。要はSCSIホストバスアダプタ(SCSIカード)| サーバ/クライアントの視点から見ると、iSCSIによるストレージサービスを提供するサーバ側がTargetで、それを利用するクライアント側がInitiatorという事になる。何となくイメージと逆なように感じるがそういうもんだから仕方ない(HBAって何となくサーバっぽいじゃん?) ===== 試した環境 ===== * FreeBSD 11.0-STABLE r308494 * 当方環境の都合でSTABLEになっているだけで、RELEASEでも問題ないと思われる。試してないけど10.0-RELEASE以降で行けるハズ。 ===== 基本設定 ===== ''/etc/ctl.conf''でiSCSIターゲットの設定を行う。 まずは認証なしで公開してみる。 portal-group pg0 { discovery-auth-group no-authentication listen 0.0.0.0 listen [::] } target iqn.2002-03.info.decomo:target0 { auth-group no-authentication portal-group pg0 lun 0 { path /dev/zvol/zvols/ROOT/target0-0 # size 100G } } iSCSIターゲットで公開する領域は''zfs create -V 100g zvols/ROOT/target0-0''で、ZFSからzvolとして切り出したものを使う。 ctl.confがデフォルトのパーミッションだと、デーモン起動時に''ctld: /etc/ctl.conf is world-readable''と怒られるので落しておく。この先、アカウント情報も書く事になるので、忘れずに落しておく。 # chmod 640 /etc/ctl.conf お馴染/etc/rc.confでctldを有効にし、デーモンを起動する。 # echo 'ctld_enable="YES"' >> /etc/rc.conf # service ctld start Starting ctld. ==== Macから繋いでみる ==== [[https://github.com/iscsi-osx/iSCSIInitiator|iSCSI Initiator for macOS]]を使って、作成したiSCSIターゲットにMacから繋いでみる。 $ sudo iscsictl add target iqn.2002-03.info.decomo:target0,172.16.0.1 The specified target has been added $ sudo iscsictl login iqn.2002-03.info.decomo:target0.172.16.0.1 Attached iqn.2002-03.info.decomo:target0 FREEBSD CTLDISK 0001 Serial Number MYSERIAL 0 lun 0: type 0x00 (Block device) こんな感じで無事マウントできた。 {{ :freebsd:mount_iscsi_target_on_osx.png |}}