FreeBSDのZFS実装がZFS on Linuxベースに変更されるらしい

2021-01-28現在、ZFS on LinuxはOpenZFSと名前を変え2.0.1がリリース済みである。

FreeBSDの移行作業も着々と進んでおり、13-RELEASEでは新生OpenZFSベースとなるのがほぼ確実といったところ。

昨年末の話題ではあるけど、将来的にFreeBSDのZFSシステムがZFS on Linuxベースに変更されるらしい。メーリングリストを読む限り、Delphix社がZFS開発の軸をZFS on Linux(以下ZoLと表記)に移したことが発端となっているようだ。

これまで、OpenZFSの盟主たるDelphix社1)は、illumosからフォークした自社のDelphix OS用にZFSを改良し、それがOpenZFSに取り込まれてきた。現在のFreeBSDのZFS実装はillumosのコードがベースとなっており、FreeBSD用に多数のifdefを加えたものだそうだ。illumosという共通の祖先を持っていたからこそ、Delphixの改良がFreeBSDに取り込めてきたというわけだ。

ところが、前述の通りDelphixがZoLに移行したことで、illumosベースのZFS実装の改修が止まってしまった。現状、ZoLで行われた修正のillumosへのバックポートは全く行われていないそうである。ZoLの主要開発者であるBrian Behlendorfが、ZoLへのFreeBSD直接サポートの追加を薦めてくれたこともあり、ひとまずZoLをベースとしたZFS on FreeBSDプロジェクト、通称ZoFが立ち上がったという経緯のようだ。将来的にはZoLとZoFで1つのコードベースを共有するかもしれないとのこと。

ZoFの実装とテストはiX Systemsが主体となって行われており、既に殆ど問題なく動いているようだ。illumosの実装─界隈ではLegacy ZFSと呼ばれている─と比較してパフォーマンスも向上している模様。2019年3月1日にsysutils/zolとしてportsツリーに取り込まれ、2019年6月10日にはsysutils/openzfsへと名称変更されている。12.0-RELEASEのportsツリーにも取り込まれていることから、完成度の高さが伺える。FreeBSD 13の前にはillumosベースのZFSソースコードは削除されるだろうとのこと。

参考サイト

1)
自分が勝手にそう思ってるだけ