FreeBSD 10.0で登場したctld(8)により、FreeBSDもネイティブでiSCSIをサポートするようになった。本記事では、そのctldを用いたiSCSIターゲットの構築方法を説明する。FreeBSD 9以前では事情が大きく異なるので注意されたい。
超乱暴に言えばiSCSIはケーブルがLANケーブルに変わっただけのSCSIなので、用語や概念はSCSIのそれを踏襲している。馴染みが薄く自分でも混乱するので簡単にまとめておく。
Target | SCSIコマンドを受け取る側。要はSCSI機器(HDDとか光学ドライブとか) |
Initiator | SCSIコマンドを発行する側。要はSCSIホストバスアダプタ(SCSIカード) |
サーバ/クライアントの視点から見ると、iSCSIによるストレージサービスを提供するサーバ側がTargetで、それを利用するクライアント側がInitiatorという事になる。何となくイメージと逆なように感じるがそういうもんだから仕方ない(HBAって何となくサーバっぽいじゃん?)
/etc/ctl.conf
でiSCSIターゲットの設定を行う。
まずは認証なしで公開してみる。
portal-group pg0 { discovery-auth-group no-authentication listen 0.0.0.0 listen [::] } target iqn.2002-03.info.decomo:target0 { auth-group no-authentication portal-group pg0 lun 0 { path /dev/zvol/zvols/ROOT/target0-0 # size 100G } }
iSCSIターゲットで公開する領域はzfs create -V 100g zvols/ROOT/target0-0
で、ZFSからzvolとして切り出したものを使う。
ctl.confがデフォルトのパーミッションだと、デーモン起動時にctld: /etc/ctl.conf is world-readable
と怒られるので落しておく。この先、アカウント情報も書く事になるので、忘れずに落しておく。
# chmod 640 /etc/ctl.conf
お馴染/etc/rc.confでctldを有効にし、デーモンを起動する。
# echo 'ctld_enable="YES"' >> /etc/rc.conf # service ctld start Starting ctld.
iSCSI Initiator for macOSを使って、作成したiSCSIターゲットにMacから繋いでみる。
$ sudo iscsictl add target iqn.2002-03.info.decomo:target0,172.16.0.1 The specified target has been added $ sudo iscsictl login iqn.2002-03.info.decomo:target0.172.16.0.1 Attached iqn.2002-03.info.decomo:target0 <scsi domain 0, target 0> FREEBSD CTLDISK 0001 Serial Number MYSERIAL 0 lun 0: type 0x00 (Block device)