最初に謝っておこう。復旧と言ってるけど、実態としては殆ど新規インストールなんだ、すまない。
誤って家鯖のFreeBSDを飛ばしたわけだけども、13.0-RELEASEの完全クリーンインストールはやめ、既存環境を上書きする形で12.2-RELEASEを起動できる状態にいったん戻すことにした。FreeBSD標準の自動インストールでは、ストレージの現在のパーティションを生かす方法がなく、結局手動でアレコレする羽目になる。だったら、手っ取り早く上書きインストールした方が簡単かなと。
上書きインストール、というかFreeBSDのインストール自体は/usr/freebsd-dist
にあるアーカイブをファイルシステムに展開するだけ(と少々の起動設定)なんだけど、せっかくなのでbsdinstall
を使ってみた。
必要な環境変数を設定し、bsdinstall distextract
を実行するとアーカイブを展開してくれる。
まずはFreeBSDのインストーラでマシンを起動し、Shellに落ちて、破損したシステムをマウントする。うちはRoot on ZFS環境なので↓のような感じ。
# mkdir /tmp/zroot # zpool import -f -R /tmp/zroot zroot
続いて環境変数の設定。
# export BSDINSTALL_DISTDIR=/usr/freebsd-dist # export DISTRIBUTIONS="base.txz kernel.txz lib32.txz" # export BSDINSTALL_CHROOT=/tmp/zroot/
環境変数名 | 意味 |
---|---|
BSDINSTALL_DISTDIR | インストールアーカイブのパス。デフォルト値は/usr/freebsd-distで、インストーラから起動した場合は特に指定する必要はない。 |
DISTRIBUTIONS | インストールするアーカイブの指定。BSDINSTALL_DISTDIRにあるファイル名を列挙する。base.txz, kernel.txzの2つがあればOSとして動く。 |
BSDINSTALL_CHROOT | アーカイブの展開先のパス。冒頭で/tmp/zrootにZFSの'/'をマウントしているので、その値を指定。デフォルト値は/mnt。 |
でもってbsdinstall
を実行。
# bsdinstall distextract
すると見慣れたFreeBSD Installer画面になって展開が進む。終わるとシェルに戻ってくる。
ZFS起動に必要な設定を書き込む。
# echo 'zfs_load="YES"' >> /tmp/boot/loader.conf # echo 'zfs_enable="YES"' >> /tmp/etc/rc.conf
念のためプールをエクスポート&再起動
# zpool export zroot # reboot
これで、新規12.2-RELEASEが立ち上がった。以前のデータの残り具合次第では、ある程度、設定済みの環境も戻ってくるだろう。自分の場合、/usr
と/etc
が完全に消えたので、殆どクリーンインストールと一緒だけどな!気持ち的には、秘伝の家鯖の血脈は保たれた。まっさらな環境だけどな!
ベニクラゲのように若返ったとでも思っておこう。
(2021/04/26 追記)
環境構築を進めてみると/usr/local/etc
がほぼほぼ残っていることが判明。これは名実ともに血脈が保たれたと言ってもいいのでは…!?しかしあれだ、ちゃんとバックアップは取っておきましょうね。