network:nanopi_r2s_build_softether_vpn_bridge_box

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network:nanopi_r2s_build_softether_vpn_bridge_box [2024-07-14 23:12]
Decomo
network:nanopi_r2s_build_softether_vpn_bridge_box [2024-09-16 19:27] (現在)
Decomo
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 ====== NanoPi R2SでSoftEther VPNの拠点間L2-VPN中継器を作る ====== ====== NanoPi R2SでSoftEther VPNの拠点間L2-VPN中継器を作る ======
  
-知り合いの会社では、遠隔地という名の役員の自宅にデータバックアップサーバーを置いてある。昨今の電気代高騰と猛暑によ、バックアップ開始時に自動的にサーバーの電源が入り、終わったら自動的に電源が切れるようにできないか、という相談を受けた。+知り合いの会社では、遠隔地という名の役員宅にデータバックアップサーバーをしている。昨今の電気代高騰と猛暑による廃熱問題のため、バックアップ開始時に自動的にサーバーの電源が入り、終わったら自動電源が切れるようにできないか、という相談を受けた。
  
-サーバーはBMC/IPMIが載ってるので、リモートで電源ON/OFFをするのは造作ない。問題は現状BMCのネットワークが物理的に繋がっておらず、仮に繋いだとしてもルータ越しなのでアクセスできないってこと。技術的にはポートフォワードなりしてやれば行けるけど、さすがにBMCをインターネッツに解き放つのはね…+サーバーはBMC/IPMIが載ってるので、リモートで電源ON/OFFをするのは造作ない。問題は現状BMC NICが物理的に繋がっておらず、また仮に繋いだとしてもルータ越しでアクセスできないってこと。ポートフォワードなりしてやれば技術的にはアクセス可能だけど、さすがにBMCをインターネッツに解き放つのはどうかと思うわけ。
  
-バックアップサーバー自体はOSのSoftEther VPN Clientで社内に繋がっている。であるならば、BMC側もSoftEtherで社内に繋がってくれれば都合がよい。かと言って、BMCで動くSoftEtherなんてものは当然存在しないので、NanoPi R2SでSoftEther VPN Bridgeを動かし、BMCを社内LANにVPN接続してしまおうというわけで記事タイトルに繋がる。+バックアップサーバー自体はOSのSoftEther VPN Client経由で社内に繋がっている。であるならば、BMC側もSoftEtherで社内に繋がってくれれば都合がよい。かと言って、BMCで動くSoftEtherなんてものは当然存在しないので、NanoPi R2SでSoftEther VPN Bridgeを動かし、BMCを社内LANにVPN接続してしまおうというわけで記事タイトルに繋がる。
  
 ===== 試した環境 ===== ===== 試した環境 =====
 +
 +ネットワークの構成図は以下のような感じ。
 +
 +{{ :network:nanopi_r2s_se_bridge_network_diagrams.png |}}
 +
 +NanoPi R2SのWAN側を宅内LANセグメント、LAN側をSoftEther VPN BridgeのL2ブリッジによる社内LANセグメントとし、宅内サーバのBMCネットワークを社内LANに中継してやる。
 +
 +こんなこともあろうかと、サーバ設置の時点でBMCには社内セグメントのIPアドレスを振った状態だったりする。もしDHCP使うにしても、社内側のDHCPサーバから降ってくるので、FriendlyWrtの余計なサービスは止め、NanoPi R2SはVPNブリッジ箱に徹してもらう。
  
   * [[https://wiki.friendlyelec.com/wiki/index.php/NanoPi_R2S|NanoPi R2S]]   * [[https://wiki.friendlyelec.com/wiki/index.php/NanoPi_R2S|NanoPi R2S]]
-    * SoftEtherが簡単に動きそう、物理LANポート2個、お手頃価格、低消費電力あたりを重視して選定。+    * SoftEtherが簡単に動きそう、物理LANポート2個、お手頃価格、低消費電力というあたりを重視して選定。
     * 性能は二の次(と言っても十分すぎる性能だけど)     * 性能は二の次(と言っても十分すぎる性能だけど)
   * FriendlyWrt 23.05-20240314   * FriendlyWrt 23.05-20240314
     * OpenWrtをNanoPi向けにカスタマイズした公式ディストリビューション     * OpenWrtをNanoPi向けにカスタマイズした公式ディストリビューション
     * とっつきやすそう、[[https://forum.vpngate.net/viewtopic.php?t=68093|他のディストリビューションだとSoftEtherで速度が出ないらしい]]というあたりを加味して選定。     * とっつきやすそう、[[https://forum.vpngate.net/viewtopic.php?t=68093|他のディストリビューションだとSoftEtherで速度が出ないらしい]]というあたりを加味して選定。
 +    * eth0 : WAN側ポート
 +    * eth1 : LAN側ポート
 +
   * SoftEther VPN Bridge 4.38-9760-2   * SoftEther VPN Bridge 4.38-9760-2
  
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 何種類かあるようだけど、最新版で軽量そうなFriendlyWrt 23.05を選んだ。 何種類かあるようだけど、最新版で軽量そうなFriendlyWrt 23.05を選んだ。
  
-gzを展開したimgファイルをDD for WindowsなりでmicroSDカード(8GB以上)に書き込+gzを展開したimgファイルをDD for WindowsなりでmicroSDカード(8GB以上)に書き込んで、NanoPiにmicroSDカードを挿入、USB-C経由で電源を供給すればFriendlyWrtが起動する
  
-NanoPi R2SにmicroSDカードを挿し、USB-C経由で電源を供給するとFriendlyWrtが起動する。 +初回は初期設定で少し時間がかかるが、完了すればNanoPiのLAN側のEthernetポートから192.168.2.1で管理Webページにアクセスできるようになる。また、この時点でWAN側のDHCPクライアント、LAN側のDHCPサーバ、WAN-LAN間のNAPTが動いている。つまり、PC <--> [LAN] NanoPi [WAN] <--> ルータ と接続し、PCのIPアドレスをDHCP取得にしておけば、何も考えずにPCからFriendlyWrtの設定とインターネットアクセスできる状態となる。名前のとおり大変フレンドリーでありますね。
- +
-初回は初期設定で少し時間がかかるが、完了すればNanoPiのLAN側のEthernetポートから192.168.2.1で管理Webページにアクセスできるようになる。また、この時点でWAN側のDHCPクライアント、LAN側のDHCPサーバ、WAN-LAN間のNAPTが動いている。すなわち、PC <--> [LAN] NanoPi [WAN] <--> ルータ と接続し、PCのIPアドレスをDHCP取得にしておけば、デフォルトでFriendlyWrtをいじりながら、いつも通りネットが使える状態となる。大変フレンドリーでありますね。+
  
 ==== ファイヤウォールの停止 ==== ==== ファイヤウォールの停止 ====
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 NanoPiのWAN側ポートを宅内LANセグメント、LAN側ポートをSoftEther VPN Bridgeによる社内LANセグメントとする。 NanoPiのWAN側ポートを宅内LANセグメント、LAN側ポートをSoftEther VPN Bridgeによる社内LANセグメントとする。
  
-つまり、この先はWAN側からFriendlyWrtの管理Webページにアクセスできた方都合が良いが、デフォルトではファイヤウォールで遮断されている。+つまり、ここからはWANポート側からFriendlyWrtの管理Webページにアクセスする必要ある。デフォルトではファイヤウォールで遮断されているため、ファイヤウォール自体を止めてしまう。生かしたままポリシーを変える方法もあるが、なるべくシンプルに行きたいので止めてしまう
  
-よって、ファイヤウォールを止めてしまう。生かしたままポリシーを変える方法もあるがなるべくシプル行きたいの止めてしまう+FriendlyWrtの管理画面のステムメニュ→スタートアップページと遷移し、''firewall''の停止ボタン押し「有効」ボタを押して「無効」する。下図は既に無効状態ある
  
-FriendlyWrtの管理画面、システム>スタートアップページで firewall を停止、無効にする。+{{ :network:nanopi_r2s_se_bridge_disable_firewall.png |}}
  
 WAN側ポートに振られたIPアドレスで管理画面にアクセスできることを確認する。 WAN側ポートに振られたIPアドレスで管理画面にアクセスできることを確認する。
- 
- 
  
 ==== DNSサーバ、DHCPサーバの停止 ==== ==== DNSサーバ、DHCPサーバの停止 ====
行 50: 行 57:
 LAN側ポートは社内LAN側で管理を掌握したいので、DNSサーバ、DHCPサーバを停止する。 LAN側ポートは社内LAN側で管理を掌握したいので、DNSサーバ、DHCPサーバを停止する。
  
-FriendlyWrtの管理画面システム>スタートアップページで dnsmasq と odhcpd を停止、無効にする。+上記ファイヤウォール同様、スタートアップページで''dnsmasq'', ''odhcpd''を停止、無効にする。 
 + 
 +==== ブリッジの削除とLAN側インタフェースの追加 ==== 
 + 
 +FriendlyWrtのデフォルト状態では、LAN側(eth1)はブリッジ''br-lan''が割り当てられている。今回はシンプルにSoftEtherの仮想NICとeth1をL2ブリッジしたいので、''br-lan''は消す。 
 + 
 +FriendlyWrtの管理画面のネットワークメニュー→インタフェース→インタフェースタブで''br-lan''を削除する。同じくデバイスタブの方でも設定解除する(こっちに残っててもダメっぽい)。 
 + 
 +その後、インタフェースタブの「インタフェースを新規作成」から''eth1''を追加する。 
 + 
 +^  項目  ^  値  ^ 
 +| 名前 | lan (何でも良い) | 
 +| プロトコル | アンマネージド | 
 +| デバイス | eth1 | 
 + 
 +最終的にインタフェース画面は以下のようになっていればよい。 
 + 
 +{{ :network:nanopi_r2s_se_bridge_interfaces.png |}} 
 + 
 +==== SoftEther VPN Bridgeのインストールと設定 ==== 
 + 
 +FriendlyWrtの管理画面のシステムメニュー→ソフトウェアページから、SoftEther VPN Bridgeをインストールする。 
 + 
 +接続先のSoftEther VPN Serverが4系統なのに合わせ、NanoPi側は2024-07-21現在最新の''softethervpn-bridge 4.38-9760-2''を選択した。 
 + 
 +無事インストールが終われば、<html><code>https://WAN側IPアドレス:5555</code></html>でSoftEtherのWeb管理ページが表示される。 
 + 
 +SoftEther VPN Bridgeの設定方法は割愛するが、要旨は以下のとおり。 
 + 
 +  * SoftEther VPNサーバー管理マネージャを使うと楽 
 +  * 仮想HUB''BRIDGE''からカスケード接続で、社内LANの仮想HUBに接続する 
 +  * 仮想HUB''BRIDGE''のローカルブリッジ設定で、ブリッジ先LANカードをNanoPi R2SのLAN側''eth1''にする{{ :network:nanopi_r2s_se_bridge_new_local_bridge.png |}} 
 +  * リスナーのポートTCP/443を削除する(FriendlyWrtの管理Webページのポートと被る)
  
-==== ブリッジの削除 ==== 
  
-LAN側のネットワークブリッジも不要なので消す。 
  
-FriendlyWrtの管理画面、ネットワーク>インタフェース>インタフェースタブで br-lan を削除する。+==== NanoPi R2S経由社内LANに接続 ====
  
-同様に、デバイスタブで br-lan を設定解除する。+NanoPi R2SのWAN側ポートを宅内LANのルータ、LAN側ポートを適当なPC接続しPCのNICはDHCPIPアドレス取得するように設定する。
  
-==== SoftEther VPN Bridgeイントール ====+正しく設定されていれば、NanoPi電源を抜き差し後、ほどなくしてPCのNICに社内LANのIPアドレスが降ってきて、社内にアクセできるようになる。
  
-FriendlyWrt管理画面、システム>ソフトウェージでSoftEther VPN Bridgeをインストール+気になる速度はNTttcp計測で30Mbpsほど。この時のNanoPi R2Sのロードベレージは1に達しない程度だったので、もうちょい速くなってもよさそうな…?BMC/IPMI用途には十分ですけどね
  
-安定性重視で、バージョン4系統の4.38をンスールした。+===== 参考サイト =====
  
 +  * [[https://wiki.friendlyelec.com/wiki/index.php/NanoPi_R2S|NanoPi R2S - FriendlyELEC WiKi]]
 +  * [[https://kunsen.net/2022/08/29/post-4707/|GL.iNet GL-MV1000 で SoftEther VPN Bridge を立ち上げる (TAPなし)]]
 +  * [[https://forum.vpngate.net/viewtopic.php?t=68093|クライアント側下りのスピードが出ない。 - SoftEther VPN User Forum]]
  
  • network/nanopi_r2s_build_softether_vpn_bridge_box.1720966375.txt.gz
  • 最終更新: 2024-07-14 23:12
  • by Decomo