ソースの表示以前のリビジョンバックリンク全て展開する/折り畳む文書の先頭へ Share via Share via... Twitter LinkedIn Facebook Pinterest Telegram WhatsApp Yammer Reddit Teams最近の変更Send via e-Mail印刷パーマリンク × 目次 NanoPi R2SでSoftEther VPNの拠点間L2-VPN中継器を作る 試した環境 手順 FriendlyWrtの準備と起動 ファイヤウォールの停止 DNSサーバ、DHCPサーバの停止 ブリッジの削除とLAN側インタフェースの追加 SoftEther VPN Bridgeのインストールと設定 NanoPi R2S経由で社内LANに接続 参考サイト NanoPi R2SでSoftEther VPNの拠点間L2-VPN中継器を作る 知り合いの会社では、遠隔地という名の役員宅にデータバックアップサーバーを設置している。昨今の電気代高騰と猛暑による廃熱問題のため、バックアップ開始時に自動的にサーバーの電源が入り、終わったら自動で電源が切れるようにできないか、という相談を受けた。 サーバーにはBMC/IPMIが載ってるので、リモートで電源ON/OFFをするのは造作もない。問題は現状BMC NICが物理的に繋がっておらず、また仮に繋いだとしてもルータ越しでアクセスできないってこと。ポートフォワードなりしてやれば技術的にはアクセス可能だけど、さすがにBMCをインターネッツに解き放つのはどうかと思うわけ。 バックアップサーバー自体はOS上のSoftEther VPN Client経由で社内に繋がっている。であるならば、BMC側もSoftEtherで社内に繋がってくれれば都合がよい。かと言って、BMCで動くSoftEtherなんてものは当然存在しないので、NanoPi R2SでSoftEther VPN Bridgeを動かし、BMCを社内LANにVPN接続してしまおうというわけで記事タイトルに繋がる。 試した環境 ネットワークの構成図は以下のような感じ。 NanoPi R2SのWAN側を宅内LANセグメント、LAN側をSoftEther VPN BridgeのL2ブリッジによる社内LANセグメントとし、宅内サーバのBMCネットワークを社内LANに中継してやる。 こんなこともあろうかと、サーバ設置の時点でBMCには社内セグメントのIPアドレスを振った状態だったりする。もしDHCP使うにしても、社内側のDHCPサーバから降ってくるので、FriendlyWrtの余計なサービスは止め、NanoPi R2SはVPNブリッジ箱に徹してもらう。 NanoPi R2S SoftEtherが簡単に動きそう、物理LANポート2個、お手頃価格、低消費電力というあたりを重視して選定。 性能は二の次(と言っても十分すぎる性能だけど) FriendlyWrt 23.05-20240314 OpenWrtをNanoPi向けにカスタマイズした公式ディストリビューション とっつきやすそう、他のディストリビューションだとSoftEtherで速度が出ないらしいというあたりを加味して選定。 eth0 : WAN側ポート eth1 : LAN側ポート SoftEther VPN Bridge 4.38-9760-2 手順 FriendlyWrtの準備と起動 NanoPiの各モデルのページからダウンロードページをたどり、FriendlyWrtのSDカードイメージをダウンロードする。 何種類かあるようだけど、最新版で軽量そうなFriendlyWrt 23.05を選んだ。 gzを展開したimgファイルをDD for WindowsなりでmicroSDカード(8GB以上)に書き込んで、NanoPiにmicroSDカードを挿入、USB-C経由で電源を供給すればFriendlyWrtが起動する。 初回は初期設定で少し時間がかかるが、完了すればNanoPiのLAN側のEthernetポートから192.168.2.1で管理Webページにアクセスできるようになる。また、この時点でWAN側のDHCPクライアント、LAN側のDHCPサーバ、WAN-LAN間のNAPTが動いている。つまり、PC ←→ [LAN] NanoPi [WAN] ←→ ルータ と接続し、PCのIPアドレスをDHCP取得にしておけば、何も考えずにPCからFriendlyWrtの設定とインターネットアクセスができる状態となる。名前のとおり大変フレンドリーでありますね。 ファイヤウォールの停止 NanoPiのWAN側ポートを宅内LANセグメント、LAN側ポートをSoftEther VPN Bridgeによる社内LANセグメントとする。 つまり、ここからはWANポート側からFriendlyWrtの管理Webページにアクセスする必要がある。デフォルトではファイヤウォールで遮断されているため、ファイヤウォール自体を止めてしまう。生かしたままポリシーを変える方法もあるが、なるべくシンプルに行きたいので止めてしまう。 FriendlyWrtの管理画面のシステムメニュー→スタートアップページと遷移し、firewallの停止ボタンを押し、「有効」ボタンを押して「無効」にする。下図は既に無効状態である。 WAN側ポートに振られたIPアドレスで管理画面にアクセスできることを確認する。 DNSサーバ、DHCPサーバの停止 LAN側ポートは社内LAN側で管理を掌握したいので、DNSサーバ、DHCPサーバを停止する。 上記ファイヤウォール同様、スタートアップページでdnsmasq, odhcpdを停止、無効にする。 ブリッジの削除とLAN側インタフェースの追加 FriendlyWrtのデフォルト状態では、LAN側(eth1)はブリッジbr-lanが割り当てられている。今回はシンプルにSoftEtherの仮想NICとeth1をL2ブリッジしたいので、br-lanは消す。 FriendlyWrtの管理画面のネットワークメニュー→インタフェース→インタフェースタブでbr-lanを削除する。同じくデバイスタブの方でも設定解除する(こっちに残っててもダメっぽい)。 その後、インタフェースタブの「インタフェースを新規作成」からeth1を追加する。 項目 値 名前 lan (何でも良い) プロトコル アンマネージド デバイス eth1 最終的にインタフェース画面は以下のようになっていればよい。 SoftEther VPN Bridgeのインストールと設定 FriendlyWrtの管理画面のシステムメニュー→ソフトウェアページから、SoftEther VPN Bridgeをインストールする。 接続先のSoftEther VPN Serverが4系統なのに合わせ、NanoPi側は2024-07-21現在最新のsoftethervpn-bridge 4.38-9760-2を選択した。 無事インストールが終われば、https://WAN側IPアドレス:5555でSoftEtherのWeb管理ページが表示される。 SoftEther VPN Bridgeの設定方法は割愛するが、要旨は以下のとおり。 SoftEther VPNサーバー管理マネージャを使うと楽 仮想HUBBRIDGEからカスケード接続で、社内LANの仮想HUBに接続する 仮想HUBBRIDGEのローカルブリッジ設定で、ブリッジ先LANカードをNanoPi R2SのLAN側eth1にする リスナーのポートTCP/443を削除する(FriendlyWrtの管理Webページのポートと被る) NanoPi R2S経由で社内LANに接続 NanoPi R2SのWAN側ポートを宅内LANのルータ、LAN側ポートを適当なPCに接続し、PCのNICはDHCPでIPアドレスを取得するように設定する。 正しく設定されていれば、NanoPiの電源を抜き差し後、ほどなくしてPCのNICに社内LANのIPアドレスが降ってきて、社内にアクセスできるようになる。 気になる速度はNTttcpの計測で30Mbpsほど。この時のNanoPi R2Sのロードアベレージは1に達しない程度だったので、もうちょい速くなってもよさそうな…?BMC/IPMI用途には十分ですけどね。 参考サイト NanoPi R2S - FriendlyELEC WiKi GL.iNet GL-MV1000 で SoftEther VPN Bridge を立ち上げる (TAPなし) クライアント側下りのスピードが出ない。 - SoftEther VPN User Forum network/nanopi_r2s_build_softether_vpn_bridge_box.txt 最終更新: 2024-09-16 19:27by Decomo