Postfix + dovecot2で大文字を含むローカルユーザーにメールを送る

Postfixはローカルユーザー名を小文字化して扱うため、大文字を含むユーザーへのメール配送が出来ないのはよく知られた事実だ(Userをuserとしてpasswdを見るので「userはいない」という結果になる)。

そんなPostfixの事実はどうあれ、大文字を含むローカルユーザーが存在するのも事実であって、メールが送られないのは非常によろしくない。というか自分のアカウントの事なんですけどね。

要するにPostfixでローカルユーザーもcase-sensitiveで扱おうというお話。以上、前置き終わり。

  • FreeBSD 9.1-RELEASE-p3
  • Postfix 2.10.0
  • dovecot 2.2.2

ローカル配送エージェント(LDA)にdovecotを使うようにする。この際、pipeでユーザー名を小文字化しないようflagsにはuを付けない。

|h master.cfの最後に追加
dovecot-cs unix  -       n       n       -       -       pipe
   flags=DR user=dovecot:dovecot argv=/usr/local/libexec/dovecot/dovecot-lda -f ${sender} -d ${user}
|h main.cfに追加
local_transport = dovecot-cs
dovecot-cs_destination_recipient_limit = 1

local_recipient_mapsは特に弄らなくても問題ないっぽい。

dovecotをrootで動かす事になるので、セキュリティリスクに注意。本当はLMTPを使うのが最適解。詳細はLDA - Dovecot WikのMultiple UIDsを参照の事。
10-auth.conf
auth_username_format = (空)

今回の最大のハマりポイント。

dovecotはcase-sensitiveと言われており確かにその通りなんだけど、2.1.0からデフォルトではユーザー名を小文字化するようになった。2.1.0のリリースノートに下記の一文がある。

http://www.dovecot.org/list/dovecot-news/2012-February/000213.html
* auth_username_format default changed to %Lu. If you really want
  case sensitive usernames, set it back to empty.

というわけで、大文字小文字を区別するにはauth_username_formatを空にしてやる必要がある。

dovecot-ldaのパーミッションを変更。

chown root:dovecot /usr/local/libexec/dovecot/dovecot-lda
chmod /usr/local/libexec/dovecot/dovecot-lda

後はPostfix, dovecot共に設定を読み込み直せばローカルユーザーもcase-sensitiveで扱われるようになるハズ。

local_transportを置き換えるため、/etc/aliasesの設定が無視されるようになる。(エイリアスの解決はPostfixのlocalで行われるため。)

うーむ、これはちょっと困った。

  • freebsd/postfix/case-sensitive_local_delivery.txt
  • 最終更新: 2020-12-03 19:36
  • by Decomo