translation:adc:audio:audio_queue_services_programming_guide:0100_introduction

はじめに

この資料では、Core AudioのAudio Toolboxフレームワークに含まれる、C言語のプログラミングインタフェースAudio Queue Serviceの使い方を解説します。

Audio Queue Serviceは、Mac OS Xで音声の記録と再生を低オーバーヘッドで行うための、分かりやすい手法を提供します。 Mac OS X v10.5より、この手法はMac OS Xアプリケーションに音声の基本的な録再機能の追加を実現する、推奨技術となっています。

Audio Queue Serviceは以下の全ての形式について、録音と再生を実現します:

  • 線形量子化PCM
  • AIFC, Apple Lossless, AACといったMac OS Xがネイティブ対応する圧縮形式。MP3の再生に用いる事も可能です。
  • 利用者が用意したコーデックの対応形式

Audio Queue Serviceは高水準サービスです。 Audio Queue Serviceはあなたのアプリケーションに、ハードウェアインタフェースの情報を求めることなく、(マイクやスピーカといった)ハードウェアの録音再生装置の使用を可能にします。 また、コーデックの動作原理について知ることなく、洗練されたコーデックの活用を可能にします。

それと同時に、Audio Queue Serviceはいくつかの先進的な機能を提供します。 それは、予約再生(scheduled playback)と同期をサポートするための、きめ細かなタイミング制御です。 これは複数音声の再生待ち行列の同期や、映像と音声の同期に使用することが出来ます。

Audio Queue Serviceは、以前はSound Managerによって提供されていたものに近い機能を提供すると共に、同期と言った追加機能も提供します。 Sound ManagerはMac OS X v10.5では非推奨技術であり、64bitアプリケーションでは動作しません。 Appleは全ての新規開発へのAudio Queue Serviceの利用を、そして既存アプリケーションにおけるSound Managerの置き換えを推奨します。

Audio Queue Serviceは、CocoaやCarbonアプリケーションだけでなくコマンドラインツールでも使用可能な、純粋なC言語インタフェースです。 Audio Queue Serviceへの好奇心維持を手助けるため、本資料中のコード例は時に、Core Audio SDKのC++クラスを用いて単純化されています。 しかし、SDKもC++言語も、Audio Queue Serviceを使うのに必須ではありません。

Audio Queue Serviceプログラミングガイドは、現代的で分かりやすい音声の記録、再生方法を必要としている全てのMac OS X開発者の役に立ちます。 本資料を最大限活かすためには、以下の事柄に精通しているとよいでしょう:

  • C言語
  • Mac OS Xアプリケーションの構築に必要なXcodeの使い方
  • Core Audio用語集で解説されている専門用語

このガイドは以下の章から成ります:

  • Audio Queueについて” では、Mac OS XにおけるAudio Queueの能力、アーキテクチャ、内部の動作原理を解説します。
  • 音声の記録” では、音声の記録方法について解説します。
  • 音声の再生” では、音声の再生方法について解説します。

以下の資料が役立つでしょう:

  • translation/adc/audio/audio_queue_services_programming_guide/0100_introduction.txt
  • 最終更新: 2020-12-04 11:25
  • by Decomo