ZFSのメンバだったディスクを再利用する時はzpool labelclearすべき

一度でもZFSで使ったことがあるストレージを別のzpoolに使い回す際は、zpool labelclearコマンドで当該デバイスからZFSラベル情報を消した方が良さそうだ。

再利用デバイスで新しいプールを作ろうとすると、殆どの場合は以下のようなエラーが出て作ることができない。

# zpool create ztank da0p3
invalid vdev specification
use '-f' to override the following errors:
/dev/da0p3 is part of potentially active pool 'zroot'

「有効なプールzrootの一部かもよ」とZFS先生は仰ってるものの、zrootは間違いなくdestroy済みで、僕は確信を以てda0p3でztankを作りたいのだよ。先生ったらお節介~。destroyしたんだからラベル情報も一緒に消しとけよ!と思わなくもないが、ZFSではdestroyの取り消しをサポートしてたりする関係で、こういう仕様なのだろう。削除済みプールの復元については、zpool importの-Dオプションを調べておくんなまし。

ところがである、条件は不明だが、このお節介が働かず以前のラベル情報を残したまま新プールが作れちゃうことがある。こうなるとマジで大惨事。新しいプールと昔のプールが管理情報の上では存在する事になり、見るからにヤバげな状態となる。その時の再現ログが↓これ。

# zpool status
  pool: newtank
 state: ONLINE
  scan: none requested
config:

        NAME        STATE     READ WRITE CKSUM
        newtank     ONLINE       0     0     0
          da0p3     ONLINE       0     0     0

errors: No known data errors

  pool: oldtank
 state: UNAVAIL
  scan: none requested
config:

        NAME                      STATE     READ WRITE CKSUM
        oldtank                   UNAVAIL      0     0     0
          1234567890123456789     UNAVAIL      0     0     0

errors: No known data errors

ログ上からは、別々のストレージで構成される2つのプール、newtankとoldtankがあるようにしか見えない。しかし実際のところ、oldtankはnewtank以前にda0p3で使っていたもので、既にdestroy済みのプールなのである。newtankとして実際にデータが書き込まれ、意味消失してるハズの削除済みプールoldtankが認識されているのだ…!

こうなると最早手遅れ。oldtankを再度destroyしようにも「そんなプールは存在しない」と言われるし、ならばとデバイス1234567890123456789をどうにかする方向で頑張ってもどうにもならず…。かと言って、この段階でlabelclearは絶対にしてはいけない。newtankもろとも消えてしまうので_:(´ཀ`」∠):_(実体験)。

というわけで、ZFSプールを作る時は忘れずにlabelclearで以前の情報を消すようにしたい。


(2017-11-14 追記)

タイミングよく本症状が発生したのでスクショをうp。

やった事はと言うと…

  1. 以前のzroot(赤い方)を削除しlabelclear
  2. 新しいzroot(緑の方)を作成
  3. FreeBSD 11.0-RELEASEをインストール
  4. freebsd-updateで11.1-RELEASEに更新するも、ブート時のTrying to mount root~で失敗して起動しなくなる
    • 今にして思えば、この時点で古いプールが認識されて旧zrootの方をマウントしようとしてたのかも…?
  5. kernel.oldの方から起動してfreebsd-updateで11.0の最新にしようとする
  6. 見事に失敗して起動しなくなる。起動スプラッシュのシェルでload kernelもload zfsも失敗する状態。
  7. インストーラメディアから起動してzpool importしたらこの状態

確かにlabelclearしたハズなんだけどなぁ…。変なzpool.cacheでも食ってんのかなぁ…?わからん。


(2017-11-16 追記)

あ、ありのまま起こったことを(ry。

症状が出たHDDの各パーティションを再度labelclearしてddでゼロフィルまでしたにもかかわらず、古い方のzrootが認識されやがったぜ……。最終的にzpool labelclear da0してようやく認識されなくなった。(が、当然GPTは壊れる。セカンダリテーブルは生きてるからパーティションの認識と復旧は可能だが…。)GPTの領域にZFSラベルが書き込まれそうな使い方─つまりディスク全体をzpoolにするような使い方はした記憶がないんだが、どうしてこうなった……?

結論としては、zpoolを作る時は対象デバイスの/dev/daX/dev/daXpYを全てlabelclearするのが安全、可能なら全体をゼロフィルするということで。




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  • 最終更新: 2019-11-26 00:23
  • by Decomo