ソースの表示以前のリビジョンバックリンク全て展開する/折り畳む文書の先頭へ Share via Share via... Twitter LinkedIn Facebook Pinterest Telegram WhatsApp Yammer Reddit Teams最近の変更Send via e-Mail印刷パーマリンク × Core MIDIの基礎 てれってれー、とCore MIDI/Core Audioの資料とサンプルを見ながら試行錯誤してた所、意外と簡単にSMFプレーヤが出来てしまいました。Core MIDIの日本語資料は殆ど見かけないので、備忘録兼これからCore MIDI触んべよ!という方の手助けになればと、分かった事を記します。 お約束ですが、本記事内容の正確性については保証致し兼ねます(何分、拙い読解力で英文資料を読んでいる為)。また、本記事の内容により生じた損害等の責任は、一切負い兼ねますので悪しからずご了承下さい。間違い等を発見されましたら、容赦なくツッコんで頂けると幸いです。 Mac OS XのMIDIアーキテクチャ 下の図はMac OS XのMIDIアーキテクチャを示したものです。 色々と描いてありますが、ここでは「MIDI Server」と「MIDI Client + アプリケーション」にだけ着目します。 まず「MIDI Server」ですが、その名の通りMac OS XのMIDIサービスを統括・提供するものです。OS X上で扱うMIDIデータは須く、MIDI Serverを通る事になります。システムに接続されているMIDIデバイスの管理の役割も担います。 次に「MIDI Client + アプリケーション」です。アプリケーションは……まぁ説明不要でしょう。MIDI Clientは、アプリケーションがMIDI ServerとMIDIデータのやり取りを行うためのオブジェクトです。逆に言えば、OS XでMIDIを扱うアプリを作ろうとすれば、何らかの形でMIDI Clientのお世話になります。 上の図で、MIDI Clientがアプリ内部にある方は、アプリケーションが明示的にMIDI Clientを生成し利用している様子を、MIdI Clientがアプリの外側にある方は、アプリ内部ではより上位のMIDI APIを利用するなどして直接MIDI Clientを使ってはいないものの、上位APIの下ではMIDI Clientが動いている様子を、それぞれ表しています。 MIDI Clientの詳細 続いてMIDI Client部分の詳細を見て行きます。 それぞれ、下層のオブジェクトが上に載っているオブジェクトを含む、という構造になっています。つまり、Channel 1〜16はMIDI Endpointが持ち、MIDI EndpointはMIDI Portが持ち……という具合です。 MIDI規格では、1本のMIDIケーブルで最大16チャンネル(パート)の情報を伝送出来ますが、このケーブルに当たるのが図中のMIDI Endpointです。ケーブルというよりも、DIN5ピンのMIDI端子の仮想表現と言った方がいいかもしれません。MIDI Endpointは1つに付き16チャンネルのMIDIデータを扱え、プログラム中ではMIDI Endpointをインタフェースとして、MIDIデータのやり取りを行います。 MIDI Endopointは、システムに存在するMIDIポート(MIDI端子という意味でのMIDIポート。後述するMIDI Portとは別物)を割り当てなければなりません。この際、ポートのデータ方向(入力なのか出力なのか)を問わず、自由に割り当てることが出来ます。 MIDI Portは同一データ方向のMIDI Endpointを束ねる役割を持ちます。データ方向毎にMIDI Portを生成し、そこにデータ方向が同じMIDI Endpointを登録します。基本的には、入力用のMIDI Portと出力用のMIDI Portを1つずつ用意し、MIDI Endpointを登録することになります。 ですが、必ずしも入出力両方を用意する必要はなく、入力か出力で最低1つのMIDI PortがあればOKです。また、同一方向のMIDI Portをいくつか生成し、それぞれのMIDI Portに自由にMIDI Endpointを登録しても問題ないようです。1) 1つのMIDI PortはMIDI Endpointをいくつでも持つ事が出来ます。従って上図の構成では、入力として16チャンネル、出力として16 x 3 = 48チャンネル持っている事になります。 MIDI Clientは、MIDI ServerとMIDIデータをやり取りするために、MIDIアプリケーションの土台となるもので、アプリケーション毎に必ず1つは必要です。一応、同一アプリケーション内で2つ以上のMIDI Clientを生成し、それぞれでMIDI Portを作るという事も可能なようです。2) 他にもMIDI Entityという概念があったりしますが、これは存在意義と使い方がよく分からないので、割愛します。資料によれば「MIDI Driverによって定義される、MIDIデバイスの機能の論理的グループ表現」との事なので、挙動はMIDI Driverごとに違うものと思われます。 参考文献 長くなってきたので、以下に参考文献を示して、続きは次回にします。 Core MIDI Framework Reference Core MIDI(MIDI ClientとかMIDI Portとか)のリファレンス。 Audio and MIDI on Mac OS X 微妙にハブられた感のある資料。ファイル名もCoreAudio.pdfとバッティング寸前(CoreAudio.pdfの方はCore Audioメインの解説)。Core MIDIに関する事はこれにしか書いてないので注意。 1) 実験の結果。Appleの資料にはこの辺の記述が見当たらなかったので、正確なところは不明です。まぁ、生成時には識別子を指定するので大丈夫だとは思いますが…。 2) 上に同じ。 Core MIDIに手を出してみる ひょんな事からYAMAHAのXG音源MU1000を買ってしまいました。MIDIデータは聴き専門の私にとっては、正直、この音源を持っていても宝の持ち腐れ以上の何者でもない気がしますが、安かったので、つい……。一応、昔からの憧れの音源だったので。 MU1000とMacというと、ある意味DTMにおける最強に近い組み合わせだったりしますが、単に聴く用途だとそうでもなかったりします。 まともなMIDI再生ソフトが無いんですよね。Windowsで言う所のTMIDI Playerのようなソフトが欲しい所です。 無いんなら作ってしまえ(その技量があるかどうかは置いといて)と、Core MIDIの資料を漁っているのですが、これがまた全然ないっ! Core Audio以上にお寒い状況です。サンプルも/Developer/Examples/CoreAudio/MIDI/SampleToolsの1つだけ。ドキュメントもAPIのリファレンスだけ。関数群を羅列だけされて、一体どうしろと……。 一応、↑のサンプルを見れば、大体の流れは掴めるのですが、やっぱり公式な手順書があると安心感が違います。という訳で、早急にドキュメント類を整備して下さい、お願いします>Apple 実際にプレーヤを作るとなると、SMFの読み込みルーチンも書かないといけないし、そうなるとSMFの勉強もしないといけないし、結構大掛かりな事になりそうです。 start.txt 最終更新: 2022-07-27 15:26by Decomo