5年半使ったIntel DC S3500 240GBの状態とベンチマーク
ファイルサーバで使ってたInte SSD DC S3500 240GB (SSDSC2BB240G4)がお役御免となった。購入記録を採ってるわけじゃないけど、たぶんこの時のSSD⇒Intel SSDSC2BB240G4 (DC S3500 240GB) のベンチマーク。のちに同じSSDを中古購入し、2台でRAID組んでWindows Serverのシステム領域兼記憶域階層のSSD層として使っていた。先に買った方、つまり当時のベンチマークがある方の使用時間は5年半ほどになる。
経年でどの程度パフォーマンスが変わったのか比較してみた。
ランダムリード・ライトが若干遅くなっているように見えなくもないが、4KiB 32QT1は速くなって良くわからん。240GBのSSDに対して93TB書き込んでるけど、問題になるような性能低下はなさそう。損耗率から計算すると残り280TBほど書き込めるようだ。
かたわれのSSDは結構深刻な状態で、ランダムライト速度が半分以下になってしまっている。
------------------------------------------------------------------------------ CrystalDiskMark 8.0.4 x64 (C) 2007-2021 hiyohiyo Crystal Dew World: https://crystalmark.info/ ------------------------------------------------------------------------------ * MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s] * KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes [Read] SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 496.475 MB/s [ 473.5 IOPS] < 16845.23 us> SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 399.525 MB/s [ 381.0 IOPS] < 2621.80 us> RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 312.067 MB/s [ 76188.2 IOPS] < 418.81 us> RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 30.675 MB/s [ 7489.0 IOPS] < 133.11 us> [Write] SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 285.882 MB/s [ 272.6 IOPS] < 29174.83 us> SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 285.205 MB/s [ 272.0 IOPS] < 3673.12 us> RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 92.268 MB/s [ 22526.4 IOPS] < 1419.45 us> RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 43.706 MB/s [ 10670.4 IOPS] < 93.19 us> Profile: Default Test: 2 GiB (x3) [D: 0% (0/224GiB)] Mode: [Admin] Time: Measure 5 sec / Interval 5 sec Date: 2023/10/10 22:06:50 OS: Windows 10 Professional [10.0 Build 19045] (x64) Comment: Intel DC S3500 240GB (SSDSC2BB240G4)
セキュアイレースしても目立った改善は見られなかった。
S.M.A.R.T.はメディア消耗指標は問題なさそうだが、電源断保護失敗で異常が検出されており、そのためか電源投入回数が跳ね上がっている。
電源断保護失敗でパフォーマンス低下ってのも良くわからんけど、内蔵の電源回路が不調→コントローラリセット→すぐ回復→辛うじて書き込みは継続、って感じなのかなー?
若干の不安はありつつも、別サーバでZFSのRAID-1構成で引き続き頑張ってもらう予定。
NVMe SSDのRelative Performanceについて
smartmontoolsでNVMe SSDの出力結果を見てた際、Supported LBA Sizesの「Rel_Perf」という項目に目が止まった。
調べてみたところ、NVMe規格の定める「Relative Performance」(RP)を表す値のようだ。
NVMe SSD製品には複数のLBAサイズ(セクタサイズ)に対応し、切り替えて使えるものがある。構成するハードウェアの状況に合わせ、SSDが512バイトセクタや4kセクタのように振る舞うことができるというわけ。主にエンタープライズ用途で使われる機能と思われる。
こうした複数のLBAサイズが選択可能な状況で、RP値はそのデバイスにおけるLBA設定間の相対性能を表す指標とされている。2ビット値につき、取りうる値は0~3で、意味は下表のとおりである。
RP値 | 意味 |
---|---|
0 | 最高性能 (Best Performance) |
1 | より良い性能 (Better Performance) |
2 | 良い性能 (Good Performance) |
3 | 低下した性能 (Degraded Performance) |
LBAサイズ設定時は、基本的にRPが0に近いものを選定しとけばよさそう。
Micron 9200 MAXの場合、図にあるように512バイトLBAより4k LBAの方が性能が良いことを示唆している。
ところで、なんでこのSSDはLBAサイズが4つもあるの…?それ自体はエンプラ向けでは珍しくないことだが、0~1と2~3の違いは無いように見えるんですけど……謎。
Micron 9200 MAX 1.6TBのベンチマーク
MicronのU.2接続なSSD、9200 MAX 1.6TB (MTFDHAL1T6TCU)を買ったので恒例のベンチマーク。
公称スペックは以下のとおり。
- シーケンシャル
- 読み込み 3500 MB/s
- 書き込み 1900 MB/s
- ランダム
- 読み込み 680000 IOPS
- 書き込み 255000 IOPS
- TBW: 17.5PB
もちろん中古購入でS.M.A.R.T.はこんな感じ。
使用時間10047時間≒418日で、電源投入回数45回ってことは間違いなくどこかのサーバに積まれてたものだろうけど、その割に投入回数が多いような気がしなくもない。単純計算で10日に1回でしょ?読み書き量が少なめなのも謎。
CrystalDiskMark 8.0.0 x64
設定:デフォルト
設定:NVMe
AS SSD Benchmark 2.0.6485.19676
気になった点
ベンチしてて気になったのは、S.M.A.R.T.が報告する温度が高めということ。
最初、バラック状態でやってたら70℃近くまで上がったため、急遽ファンで直接風をあてた。本当に70℃まで上がってたら熱くて触れないハズだが、実際は多少熱いくらいの温度感だった。15mm厚のSSDかつゴツい金属製筐体なので放熱性は良さそうなんですがね…。
ドライブ内部の一番ホットな部分の温度を示してるのか、センサー故障で高めの値なのか真相は不明。
それと、PCIeのリンク状態が割とシビアな気がする。2台のマシンで、PCIeスロットにマウントするタイプの変換カード、PCIe→SFF-8643→SFF-8639ケーブルのそれぞれで接続したが、どちらとも最初はPCIe 2.0でのリンクアップとなってしまった。コネクタ抜き差しでPCIe 3.0で繋がったものの、少々気がかりではある。
Supermicro X10DRiは普通にNVMeブート対応してるっぽい?
Supermicroのマザボ、X10DRiは普通にNVMeデバイスからのブートに対応しているようだ。
何をいまさらと思われるかもしれないが、M.2スロットは載ってないし、公式の明確な対応情報も見当たらないばかりか、FAQでも(姉妹モデルのだけど)対応/非対応の情報が載ってて良くわからなかったのよ。
- してない。本M/BのAMIネイティブモジュールは970非対応
- できない。本M/BはM.2のネイティブサポートはしてない。エンプラ向けのOption ROM付きのM.2 SSDならブートできる。
- できない。BIOSはNVMeのネイティブ対応してない。起動デバイスのOption ROMないと無理。
- UEFIモードで対応してる。PCIeのOption ROMをLegacyからUEFIに変更せよ。
こんな具合。とりあえずOption ROM使えばブートできるのは間違いない。
Supermicroだし鯖向けマザーだし当然NVMeブート対応してるだろうと、大して深く考えずにPM983をポチっちゃったのが前回というわけでして。まぁ、後の調査で、Samsung DC Toolkitなるものを使えばPM983にOption ROMのダウンロードできそうだし、最悪Clover EFI bootloaderでどうにかなるだろうと思いつつ組み込んでみたら、余裕で対応してた。
Option ROMをDisabledにしても、変わらずBIOSで認識されるのでネイティブ対応してると思う。多分。
BIOS Revision: 3.1bでの結果でござる。もし使えなかったらさーせん。
SAMSUNG PM983 960GBのベンチマーク
SAMSUNGのエンタープライズ向けSSD、PM983シリーズの960GBモデルMZQLB960HAJR-00007がやってきた。宅内ネットワークの40GbE化により、サーバのストレージがSATAのSSDでは物足りなくなったため、うっかりポチってしまった。
速度的には最近のM.2なSSDの方が速かったりするんだけど、少しくらい遅くてもエンプラ向けの高信頼品が欲しかったのですよ。で、eBay見てたら販売店テスト済みの中古品が1万円弱だったので2台買っちゃった。PM963, PM953あたりなら同価格で新古品がそこそこ出回ってるようだが、中古とはいえPM983が1万円はなかなかのお買い得品。スペックは以下の通り。
- シーケンシャル
- Read 3000MB/s
- Write 1050MB/s
- ランダム
- Read 400000 IOPS
- Write 40000 IOPS
- 1.3 DWPD (TBW=1366TB)
- TLC (3bit MLC VNAND)
9/2に注文して受け取れたのは9/14。届いたモノは、綺麗な外観の書き込み量は1TB弱で、中古としては上々と言える。
Crystal Disk Mark 6.0.2 x64
AS SSD Benchmark 2.0.6485.19676
搭載キャッシュ容量は不明。
Crystal Disk Markを何度か試した限り、テストサイズ1GiBの時は測定のブレも少なく安定した結果が得られるが、32GiBでは特に書き込み速度で測定結果のバラつきが見られた。恐らくキャッシュ溢れの影響だと思われる。ワーストケースでは4K1Tで60MB/sまで低下するのを確認している。
ちなみに、PCIe 2.0x4で接続した場合は↓こんな感じ。
当初、PCIe 2.0スロットに挿してたのに気付かず「Sequential Read: (960GB) Up to 3000 MB/sって書いてあったけどこんなもんか…」と思ったのは内緒。